「大学情報サミット」の発想と発端
私立大学の情報関連部署を結んで「大学情報サミット」をつくりたい。1990年から明治大学に奉職し情報科学センターの運営にかかわりはじめて、さまざまな外部機関と交流していくなか募ってきた思いです。
大学のなかでも情報関連組織は激しい環境変化にさらされ続けてきた比較的新しい組織です。このため他部署と比べると異質な文化をもつ特異な存在になっています。
「なぜ大学のためを思って情報化を推進することにこんなに苦労するのだろうか?」自分の大学のなかだけで苦しんでいてはいけない。苦しみは一つひとつみんな違いますが、喜びというのはみんなでともに分かち合うことできるはずです。他の大学で苦労している人たちとつながることで互いに喜びを分かち合えるはずです。
飲みながら語った私のそんな思いに共鳴してくれたのが橋本千良・明治大学情報システム事務部長(当時)でした。彼の言葉から勇気を得て、二人で行脚を始めました。早稲田大学の高木直二理事、慶應義塾大学の安田博ITC本部事務長(当時)、大賀裕DMC統合研究機構事務長に次々とお会いし、みなさんからご快諾いただいたことから「大学情報サミット」が出発したのです。
今後、この大学の枠を超えた活動が定着し、みなさんの仕事にやりがいと喜びがもたらされることを心から期待しています。
初代代表幹事 阪井和男(明治大学)
大学情報サミットとは
2005年11月に明治大学情報科学センター所長 阪井和男教授(明治大学教育の情報化推進本部副本部長)(いずれも当時)の呼び掛けにより、『6大学情報サミット準備研究会』発足。世話人も同氏。
隔月のペースで研究会を開催して、大学情報サミットのテーマを決め、1年後に大会を開催し、デジタルデバイド解消など参加大学で連携のメッセージを発信する。
参加大学の情報系教職員(特に職員)が、「懇談会->勉強会・研究会->情報サミット」という過程を経ることにより、人材交流や勉強会を通じて、情報系職員の視野を広げ、それぞれの組織活性化のために刺激し合い、個々の大学の競争力向上に貢献すること目指す。
大学間の連携により社会や企業との交流の場を広げ、社会全体の発展に貢献していく。
近年、大学を取り巻く状況は目まぐるしい変化の中にあります。文部科学省が打ち出したCOE構想や法科大学院構想など、教育行政の変容に加え、18歳人口の減少に伴う大学全入時代の到来など、経済・社会情勢の変化もまた、大学の姿を大きく変えようとしている状況にあります。
このような社会環境の中で、各大学の情報システム部門は、教育研究の基盤としてのネットワークやメール・WWW等の基盤システム、教学・法人に関する基幹業務システムといったいわゆるインフラの整備に留まらず、情報技術を活用した新たな教育手法や、直接的に教育研究を支援するシステムの提供が求められています。
日本を代表する私立大学の情報システム部門が、単なる自大学のインフラの整備に留まらず、大学の目的である教育・学術研究をはじめとした広範囲な分野で連携を進め、各大学だけでなく、社会全体の発展に貢献することを目的として協力するために、定期的に大学情報サミットを開催するものです。 今後は、関西の4大学との交流を視野に入れながら、より広範囲での活動を展開していく予定です。